RadioShack 2000629 FMバンド改造

持った湯のみをバッタと落とし、小膝たたいてニッコリ笑い

お蔭様でRadioShack 2000629/SANGEAN ATS-505のFMバンド改造が成功しました。

本機オリジナルのFMバンドは、北米向けの87~108MHzになっており、
これを日本向けの76~108MHzに改造するポイントは2点ありました。

・ダイオードを1本追加(CPU基板側)
・VCOコイルを巻き直す(メイン基板側)

以下それぞれの改造作業について説明します。

(1)ダイオードを1本追加(CPU基板側)
回路図1に記載されているD205、D207、D210の3本のダイオードは設定用であり、実際の製品では実装されていません、FMバンド改造ではこの内D207を追加実装します。
IS1588など一般的なダイオードで構いません。

◆回路図1
ats505_1

(改造場所)
ダイオード取り付け用の空きランドは、CPU基板のハンダ面、シールド板を外した赤丸の付近にあります。
※ダイオード追加作業は3年前に行いましたので、今回シールド板は外しませんでした、スミマセン。
ats505_3

(2)VCOコイルを巻き直す(メイン基板側)
本機のFMバンドはシングルスーパーヘテロダインです、
IFは一般的な10.7MHzで、VCOの周波数は、

VCO周波数 = 受信周波数 - 10.7MHz

という関係式になっています。

VCOの周波数可変範囲について、オリジナルの状態では、受信周波数87~108MHzに対し、

76.3~97.3MHz

これを日本のFMバンドで用に可変範囲を拡大する必要があります。

65.3~97.3MHz

今回は、回路図2にあるL4コイルを巻き直す事で対応しました。

◆回路図2
ats505_2

(改造場所)
メイン基板、部品面から見て左上の赤丸部分、コイル交換作業は、メイン基板を完全に取り外す必要が有ります。
オリジナルのコイルを取り外す時に、ベタベタした固定剤を綺麗に取り去りますが、この固定剤はまた後で再利用します。
ats505_4

(巻き直したコイルのデータ)
使用線材:0.6UEW (←もう少し太い0.8ぐらいが良いカモ)
コイル径φ:5mm
巻き数:3.5回 (→オリジナルのコイルは2.5回でした)

(調整)
コイルは密巻きの状態で実装します、ただし、このままではVCOの上限周波数が90MHz止まりになりますので、写真のようにコイルを広げながら調整していきます、調整が済んだら、先のベタベタした固定剤でガッチリ固定します。

改造後のFMバンド受信動画です

ボクは大阪在住ですが、改造前には受信不可であった、以下の放送局も聴けるようになりました。
76.5MHz FM-COCOLO
80.2MHz FM802
85.1MHz FM-OSAKA

動画では97MHzより上あたりから、シングルスーパ特有のイメージ受信があります。
また103MHzより上あたりはi-dioのマルチメディア放送の電波です、当然普通のFMラジオでは聴けません。

3年前にダイオードを追加しただけの状態では、バンドの下の方はVCOが追従できなくて、PLLのロックが外れた状態だった訳です、これで納得できました。

デエンファシスについて
本機はボクがハワイから買って帰ったもので、デエンファシスは北米仕様の75μsに設定されていると思います。
それに対し日本は50μsなので、若干高音域が抑えられた音質で聴こえるハズなんですが、実際ボクの耳で聴いた感じでは、ほとんどフラットに出ており、音質についてはまったく問題無しでした。
ですからこのデエンファシスについては、これ以上深入りしない事にします(^^)

「耳も老害なのでは」なんてヒドイ事言う人はだぁ~れ(笑)

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