GVMのコマンドラインオプションを応用した、ショートカットの実現方法について説明いたします。
通常のGVMの起動方法は、以下に示しますように、GVMアプリケーションラウンチャを起動し、そこからPalmアプリを呼び出すというアクションになり、少し手間が掛かります。
GVMのコマンドラインオプションを応用する事で、GVMアプリケーションラウンチャを介さずに、直接目的とするPalmアプリを起動できるようになります。
まず、以下のキャプチャ画像をご覧ください、これは N810 の maemo OS のディスクトップです。画面下部に一列で並んだアイコンが有ります、これは Personal Launcher というもので、フリーで提供されるラウンチャアプリであります。
次に示す画像は Personal Launcher の設定画面です、ここで左上のような Palm (家のアイコン)を作り、このアイコンの Command to execute に GVMのコマンドラインオプションを入力します。
ボクの場合はココへ、以下のように入力してみました。
/usr/bin/gvm/gvm -z 1.5 -a lnch -r 1 -d 4096 -B /home/user/MyDocs/.images/clie_flamingo_pink.jpg
設定後、ディスクトップに戻ります、先ほどの家のアイコンをクリックしてみます。
するとPalmのラウンチャがダイレクトに起動しました。
■GVMコマンドラインオプションまとめ
以下にGVMコマンドラインオプションを表にまとめてみました、今回使用したオプション以外にも、実に様々なオプションが用意されているのがお判り頂けると思います。
※ただし、この内のいくつかのオプションは、指定しても動作しません。
オプション | パラメタ | 説明 |
-? | 無し | オプション一覧を表示 |
-s | 160×160|160×220|240×240|…|320×480 | スクリーン解像度の指定 |
-O | yes|no | スクリーンの回転、時計回り90度 |
-B | 背景イメージファイルの絶対パス | 背景イメージの指定 |
-L | 0xrrrr,0xgggg,0xbbbb | 背景色の指定 |
-b | 1|2|4|8|16 | スクリーン表示色数の指定(ビット深度) |
-f | yes|no | フルスクリーン指定(GraffitiとStatus Bar無し) |
-q | yes|no | 1x と 2x densityにおいて、QVGAへスケーリングする指定 |
-j | filename|none | Specify a Static Input Area configuration fileの指定? |
-h | 1|2|4|…|64 | ストレージヒープサイズの設定(単位MB) |
-d | 256|512|1024|2048|4096|8192 | ダイナミックヒープサイズの設定(単位KB) |
-g | filename | ストレージファイル名の指定 |
-c | Palm|SoNy,… | ライセンシーIDの指定 |
-i | H106|atom,… | デバイスIDの指定 |
-l | enUS|frFR|…|default | ロケール情報の指定 |
-o | yes|no | サウンド機能の有効/無効の指定 |
-m | yes|active|no | 仮想マウスの有効、有効かつアクティブ、無効の指定? |
-t | all|none|12,15,0xab,… | トレースフィルタリングの指定? |
-k | GDK_KeyCode:vchrPalmOS,… | キーマッピングの定義(例: 0xFF91:vchrHard1) |
-a | ABCD|default | クリエータIDによる起動アプリケーションの指定 |
-H | 無し | 起動時ウインドゥの非表示 |
-n | serialnum | シリアルNo.の指定 |
-u | string:id | HotSync User IDの指定(例: TestUser:9669) |
-w | wpath | 書き込み可能な経路情報? |
-I | aaa.bbb.ccc.ddd | HotSyncする母艦のIPアドレス |
-G | 無し | GRAS serverを自動起動する |
-p | yes|no | PIMアプリがダイレクトにDBアクセスするか? |
-6 | Bit Mask: 0×2(Break On App Start)|0×4(Trace Traps)|0×8(Start Console)|0×10(Enable GDB Stub) | 68Kデバッガ用のフラグ指定 |
-A | none|default|name | ALSAデバイス名の指定? |
-T | 無し | 一時的な起動とする |
-z | 1|1.5|2 | スクリーン・ズームファクタの指定 |
-r | 0|1|2 | スクリーン・オートリフレッシュモードの指定 |
GVMコマンドラインオプションを上手に利用する事で、ホストプラットフォームとシームレスにPalmアプリが使用出来る環境が構築出来ます。皆さんも色々試してみてください。