‘中華ラジオ’ カテゴリーのアーカイブ

TECSUN PL-606

2013 年 7 月 13 日 土曜日

amazonで安売りしてましたので、TECSUN PL-606を買ってみました、安売りと言いましてもebayで買うのとそんなに違いませんが、国内ショップという安心感はあります。
円高の頃はホントに色んな中華ラジオを買ってみましたが、半数以上は「出来損ない」の製品だったなぁという感想でした。
そんな中でもTECSUNというメーカの製品については、比較的品質は良い方で、ハズレ品がまったく無い訳ではありませんが、まぁまぁ安心出来るブランドではないかと思っております。

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ところで皆さんは「ハズレ品」とはどんなものか、良くわからないと思いますが、中華ラジオの「ハズレ品」は以下の3つに分類出来ます

(1)製品設計自体の不良
(2)製造工程での不良(ハンダ不良、実装部品間違いなど)
(3)輸送段階での不良(筐体へこみ、キズ、付属品不足など)

この内(3)については中国本土ではなく、香港のショップを利用することで、この手のトラブルはほとんど無くなります。
※中国本土のショップを利用するのはギャンブルです、ほぼ100%の確率で、箱がボコボコで届きましたね(笑)

さて、前置きが長くなりました、PL-606に話を戻しましょう
このラジオは、アナログ的な調整部分がほとんど無い、DSP方式の回路構成になっております

操作性は、テンキーこそ付いてませんが、550チャンネルもの局メモリを持っており、TECSUNご自慢のATS(Auto Tuning Storage)とETM(Easy Tuning Mode)で、とても簡単に放送局をメモリに記憶させることが可能です。

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フロントパネルのボタン類で、ほとんどの操作ができる

記憶させた放送局は、クリック感のあるチューニングダイアルで簡単に選局出来ます、或いはメモリスキャン動作なども可能です。

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右側面、チューニングと音量ダイヤル(どちらもクリック付エンコーダ)

もちろん、放送局をひとつひとつメモリへ登録することも可能です、ボクの場合は、以下のような表を作って、他のラジオとメモリ番号を共通化しています。

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もっとも重要な受信性能については、良くも悪くもDSP方式だなぁという印象です、

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このクラスでは珍しく、外部アンテナ端子付き

PL-606には、このクラスでは珍しく外部アンテナ端子が付いておりまして、リスニングはアクティブループアンテナを繋いで行いました、
まず感度について、ボクのところでは「北の将軍様ラジオ」(←これでわかりますよねw)は、結構フェージングが有りまして、
谷間になると、他のラジオでは辛うじて聞こえてる場合でも、PL-606では聞こえない事がありました、
やはり、とことん弱い電波ではDSP方式は不利なんですね。

次に選択度について、PL-606は BAND WIDTH の切り替えが可能で、6KHz、3KHz、2KHz、1KHzの4通りから選択できます。
リスニングは、4月の周波数改変以来、混信が酷くなった「ロシアの声」で試してみました。
選択度の切り替えは明らかに有効に機能します、周波数ずらしや、ループアンテナ離調によるアッテネータ代わりの合わせ技で、何とか放送内容は聞き取れます、でも聞いていて疲れますね、個人的には、後閑理恵アナの可愛い声が、もっとハッキリ聞こえればというところです(笑)

以上は短波における評価です、特に書きませんけど、普通の国内AM(中波)やFMの受信はまったく文句無しでした。
あえて言うなら、細かいことですが、PL-606はホワイトノイズがやや大きめでした、
これはイヤフォンで聞くと良くわかります、音量を0に絞っても「サー」というノイズ音が若干有ります。

結論から言うと、このラジオは当たり品だと思いますね、お値段以上の機能と性能は持っています。
以上、ラジオ好きのオッサンの、厳しい目と耳で評価してみました(←ホンマかいな)

DE1103故障修理

2013 年 1 月 26 日 土曜日

手持ちの中華ラジオの中で、一番お気に入りの DEGEN DE1103 、まだ手に入れて3ヶ月程なのに早速故障してしまったようです。

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症状としては

(1) 本体でニッケル水素電池をフル充電出来なくなった(本体液晶のバッテリ残量計で見る限り)
(2) 別の充電器で満充電にしたニッケル水素電池を入れても、バッテリ残量計がフルにならない
(3) バッテリ運用時間が極端短くなった(3時間程度でバッテリ切れになる)

それで調べてみたところ、本体DCジャックが接触不良だったのと、その影響で保護ダイオード2D3が飛んでしまっていたようです、ふむぅ~。

(保守部品について)
早速保守パーツを探したところ、
まずDCジャックは、ホシデンHEC3600-016110で、これは大阪の千石電子で入手できました、
あとダイオード2D3は型番不明でしたので、一般的なIS1588を使うことにしました

(部品交換作業)
基板にキズを付けないように、ハンダ吸取機などを使い、慎重に不良部品をはずします。
コツとして、DCジャックのような部品は、ニッパでモールド部分を破壊しながら、ピンをひとつずつ抜いていけばキレイに除去できます。
ほら、こんな風にキレイに取れました

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最後に、手配した部品と交換します。
ほら、こんな感じで修理完了しましたよ(^^)

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以上の修理作業により、元通りDE1103が正常に動作するようになりました

DE1103の音質改善

2012 年 12 月 22 日 土曜日

自分でも何故だかよくわかりませんが、今年は中華ラジオを何台か買いました、
中国製品の代名詞は「安かろう、悪かろう」です、ハッキリ言いまして、ほとんどの中華ラジオは出来が悪いです(←オジサン言い切ってますよw)
その中でも、マニアの間で比較的好評価を得ているDE1103というラジオを、ちょっと前に入手しました。

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早速ですが、このラジオの駄目なところは

(1)びっくりするような無骨なデザイン
(2)これは使いづらい、選局と音量調整のツマミが共用
(3)何ですかコレは、横一直線に並んだ数字キー
(4)エェ冗談でしょ?局メモリ番号が16進数です(00h~FEh)
(5)ピークが潰れたような、何かスピーカーの音が歪んでない?

という具合に製品の設計自体に、越えられない文化の壁を感じるラジオであります。

じゃあこのラジオ、まったく駄目かと言うと、実はそうでは無くて、受信性能が凄く良いんですよ、
感度が良いと言うか、SN比(信号とノイズの比)が良いと言うか、弱い電波でも明瞭に聴こえるんですよね、
これが、たかだか5~6千円で買えるラジオかと思うぐらい、受信性能が良いんですよ。
そんな訳で、結構ボクのお気に入りのラジオになってしまいました(^^)

それで駄目なところ(1)~(4)については慣れるしかありませんが、
(5)に関しては、以下のサイトに素晴らしい情報がありましたので、ボクも音質改善にチャレンジしてみました。

中華ラジオがやってきた ~DE1103後編

この記事では、数点の部品を交換されていますが、どうも改造のポイントとしては、
R219だけ交換すれば良いのではと思われます

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目的のR219はメイン基板の裏側にあります

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パーツ箱の中を探すと、10KΩのチップ抵抗の在庫がありました、ラッキー

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チップ抵抗はピンセットが必要なぐらい、こんなに小さいんですよ

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ボクの本業である「指先の魔術」を使い、R219交換は無事成功です

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交換後のR219アップです
しかし良く見ると雑な基板ですねw、中国ではチップ部品も、手ハンダ実装なんでしょうか?

※自動実装より職人の人件費の方が安い?
※手実装は自動実装より信頼性1桁落ちるんですけどね

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R219交換により音質改善されたDE1103、スピーカからの音は、柔らかく落ち着いた音質になりました、これなら合格です(^^)

あと、駄目なところ(4)の件ですが、ここでちょっと補足説明しますと、
DE1103の局メモリは、以下の図のように00h~FEhの、合計255メモリあります。

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この図で色分けしている部分について

ブルー部分 → 上位&下位とも0~9で表記できる領域(計100メモリ)
イエロー部分 → 上位か下位、または両方に A~Fが含まれる領域(計155メモリ)

ブルー部分の局メモリについては、フロントパネルの数字キーで、直接呼び出す事が可能な領域です、通常はこの部分のみ利用した方が、使い易いのではと思います。

PL-210の小改造

2012 年 6 月 30 日 土曜日

5月頃に中華ラジオTECSUN PL-210を入手しました。

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本機はPLL方式のマルチバンドラジオで、感度が非常に良いです、附属ロッドアンテナだけで、主な海外からの日本語放送を問題無く受信出来ます。
外装色も鮮やかな赤色で、すっかりボクのお気に入りになってしまいました。
もう2ヶ月程使用しておりますが、ちょっとした不満も出てきまして小改造してみました。

◆時計精度の改善
このラジオには時計機能も付いており、スリープやアラームなどの機能もサポートされております。
ただし、時計の精度がお世辞にも良いとは言えず(中華品質?)実測してみると1週間で1分以上ずれる状況でした、これでは月差4分以上、年差が1時間ぐらいになりますので、日本の基準では不合格です。

そこで、時計の基準クロック(32.768KHz)のクリスタルを付け替えてみました。
入手したのは精度20ppm(※1)のものです、付け替えるクリスタルの場所は、液晶表示器の下にあります。
クリスタル付け替え後の精度は、1週間で5秒程度、月差20秒ぐらいに改善出来ました。

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20ppmのクリスタル、150円ぐらいで手に入る一般的なものです

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液晶表示器の周囲の白いテープはホコリ混入よけです

ラジオなんだから電波時計にするとか、ラジオ局の時報で自動補正するとかする機能が欲しいところですが、中華製品にそれを望むのは、酷というものかもね(^^)

※1 常温25℃での精度です、通常クリスタルの温度特性は、25℃を頂点として、それより気温が高くなっても低くなっても、発振周波数は下がる傾向になります。

◆AM外部アンテナ端子
ボクの自宅は鉄筋のマンションで、部屋の中ではAMラジオの電波がほとんど入って来ません。
そんな訳でAM外部アンテナ端子を付ける改造をしてみました。
PL-210には充電端子としてmini USBコネクタが付いていますが、
配線を確認してみますと、1番と5番しか使用されておらず、他は空きピンになっていましたので、空きピンを利用してAM外部アンテナ端子としてみました。

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方法としては細いリッツ線風な電線(※2)をバーアンテナに6回程度巻いて、その両端をmini USBの2番、3番に接続します、ただしPCで充電する際の事を考慮し、どちらか一方に1000PFのコンデンサをシリーズに入れて、直流成分をカットしておきました。

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バーアンテナはプラのフレームに強力に接着されており、取り外せませんでしたので、フレームごと巻いてみました。

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本アンテナ端子を、ベランダの手摺に取り付けたループアンテナ(ミニコンポのおまけで良くあるヤツ)に接続しますと、ウソのようにAM放送局がガンガン入感するようになりました。

※2 これは100円ショップの「イヤフォン延長コード」の被服を剥いた中身の電線を利用しました。