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RadioShack 2000629 FMバンド改造

2016 年 4 月 24 日 日曜日

持った湯のみをバッタと落とし、小膝たたいてニッコリ笑い

お蔭様でRadioShack 2000629/SANGEAN ATS-505のFMバンド改造が成功しました。

本機オリジナルのFMバンドは、北米向けの87~108MHzになっており、
これを日本向けの76~108MHzに改造するポイントは2点ありました。

・ダイオードを1本追加(CPU基板側)
・VCOコイルを巻き直す(メイン基板側)

以下それぞれの改造作業について説明します。

(1)ダイオードを1本追加(CPU基板側)
回路図1に記載されているD205、D207、D210の3本のダイオードは設定用であり、実際の製品では実装されていません、FMバンド改造ではこの内D207を追加実装します。
IS1588など一般的なダイオードで構いません。

◆回路図1
ats505_1

(改造場所)
ダイオード取り付け用の空きランドは、CPU基板のハンダ面、シールド板を外した赤丸の付近にあります。
※ダイオード追加作業は3年前に行いましたので、今回シールド板は外しませんでした、スミマセン。
ats505_3

(2)VCOコイルを巻き直す(メイン基板側)
本機のFMバンドはシングルスーパーヘテロダインです、
IFは一般的な10.7MHzで、VCOの周波数は、

VCO周波数 = 受信周波数 - 10.7MHz

という関係式になっています。

VCOの周波数可変範囲について、オリジナルの状態では、受信周波数87~108MHzに対し、

76.3~97.3MHz

これを日本のFMバンドで用に可変範囲を拡大する必要があります。

65.3~97.3MHz

今回は、回路図2にあるL4コイルを巻き直す事で対応しました。

◆回路図2
ats505_2

(改造場所)
メイン基板、部品面から見て左上の赤丸部分、コイル交換作業は、メイン基板を完全に取り外す必要が有ります。
オリジナルのコイルを取り外す時に、ベタベタした固定剤を綺麗に取り去りますが、この固定剤はまた後で再利用します。
ats505_4

(巻き直したコイルのデータ)
使用線材:0.6UEW (←もう少し太い0.8ぐらいが良いカモ)
コイル径φ:5mm
巻き数:3.5回 (→オリジナルのコイルは2.5回でした)

(調整)
コイルは密巻きの状態で実装します、ただし、このままではVCOの上限周波数が90MHz止まりになりますので、写真のようにコイルを広げながら調整していきます、調整が済んだら、先のベタベタした固定剤でガッチリ固定します。

改造後のFMバンド受信動画です

ボクは大阪在住ですが、改造前には受信不可であった、以下の放送局も聴けるようになりました。
76.5MHz FM-COCOLO
80.2MHz FM802
85.1MHz FM-OSAKA

動画では97MHzより上あたりから、シングルスーパ特有のイメージ受信があります。
また103MHzより上あたりはi-dioのマルチメディア放送の電波です、当然普通のFMラジオでは聴けません。

3年前にダイオードを追加しただけの状態では、バンドの下の方はVCOが追従できなくて、PLLのロックが外れた状態だった訳です、これで納得できました。

デエンファシスについて
本機はボクがハワイから買って帰ったもので、デエンファシスは北米仕様の75μsに設定されていると思います。
それに対し日本は50μsなので、若干高音域が抑えられた音質で聴こえるハズなんですが、実際ボクの耳で聴いた感じでは、ほとんどフラットに出ており、音質についてはまったく問題無しでした。
ですからこのデエンファシスについては、これ以上深入りしない事にします(^^)

「耳も老害なのでは」なんてヒドイ事言う人はだぁ~れ(笑)

お宝発見

2016 年 4 月 19 日 火曜日

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これは素敵だちょいといかす、一節聞いたらどんぴしゃり
アーイーヤー

実は以前に書きましたこの記事なんですが、
「どなたかご教授をお願いします」と書いてはみたものの、どなたからも有効な情報を得る事は無く、
良く考えれば、そりゃそうですよね、今どき中華ラジオでBCLをしている方なんて、国内に100人おられるかどうか、その中でこのRadioShack 2000629/SANGEAN ATS-505を持っておられる方なんて、ジャンボ宝くじに当たる可能性より低いでしょうね(笑)

ところがですよ皆さん、本日ネット検索してみますと、な・な・何と有るじゃないですがATS-505の回路図が、
ココです
http://www.radioscanner.ru/files/sangean/file188/
いやぁロシア人は偉いなぁ

この回路図が有れば、何とかFMバンド改造の謎が解けそうな気がします。

回路図を見ると、とりあえずボクが3年前に見付けた、CPUボード側のダイオード追加位置は合ってました。

でもこれだけではまだ不足なんですね、それがずーっと謎だったのです。

SANGEANアーキテクチャと呼んで良いのか、いつも見慣れているTECSUNやDEGENの回路構成とはかなり異なるようで、台湾人エンジニアのポリシーを感じます(←ホンマかいな)
そんな訳で、今度の休み迄に、この回路図を読み解きたいと思っています。

何が何でもこの回路、読みましょ、解きましょう
アーイーヤー

FMバンド改造

2013 年 12 月 22 日 日曜日

img_20131222_155011

RadioShack 2000629(SANGEAN ATS-505)ですが、オリジナルはFMバンドが北米仕様で、87.5MHz~108MHzとなっており、
何とか日本のFMバンドに改造したいなぁと考えまして、色々解析しておりました

本機の下位機種であるATS-404については、ネット上にサービスマニュアルが存在しておりまして、そこに日本のFMバンド改造のヒントが有るのですが、ATS-505に関してはそのような資料が一切無く、世間では改造不可能という事になっています。

ところが、基板上のある空きパターンに、ダイオードを1個追加すると、何と周波数範囲が76.0MHz~108MHzに出来る事を発見しました、
しかし、挙動が変なんです。
具体的には、表示周波数と受信周波数が一致しておらず、その関係が以下のようになっています

実際の受信周波数 = 表示周波数 - 21.4MHz

つまり、シングルスーパ受信機で良くある、イメージを拾って受信しているような感じで、例えば大阪のFM802(80.2MHz)であれば101.6MHzで綺麗に受信出来ております

このラジオ、日本では非常にマイナーな存在で、お持ちの方がほとんど居ないと考えますが、どなたか情報をお持ちの方がおられましたら、是非ご教授をお願いします。

RadioShack 2000629

2013 年 12 月 5 日 木曜日

ハワイのアラモアナセンターにあるRadioShackのお店で買って来ました、
2000629 というこのラジオ、日本では情報がほとんど無いようなので、ご紹介します

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価格は$89でした、パッケージはこんな感じです

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中身は本体と説明書だけです、極めてシンプル

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大きさ比較、かなり大きいです

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右側面の様子
上から同調ツマミ、音質切替SW(MUSIC/NEWS)、操作ロックSW、音量調節VR
なお同調ツマミ自体がプッシュSWにもなっており、押し込むと周波数ステップがFINEモードになります

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左側面の様子
上からCLARFY(BFOピッチ調整)、SW外部ANT端子、DX/LOCAL切替SW、FM MONO/STとSSB/AM兼用SW、イヤフォン端子、DC入力端子(6V・センターマイナス)

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リアパネルの様子
このラジオのスペック概略です