「ええ歳したオッサンが、たかがラジオ如きで良く遊びますね」そんな皆さんの呆れた声が、聞こえて来るような気がします(笑)
ところでER-C57WRの液晶窓には「PLL DSP MULTIBAND RADIO」という文字がマーキングされています。
通常、PLLとDSPはまったく異なる回路方式であり、両方の回路が入っているマシンって、あまり聞いた事がありません。
今夜のレポは、PLLなのか、DSPなのかハッキリしなさいという話題です。
★開腹の儀
回路の謎を解くには、やはり中の基板を見てみないと始まりませんよね。
4本のネジを緩めて開腹してみると、本体はフロント側とリア側の2つの部分に別れておりました、このサイズのラジオでは、初めて見る構造ですね。
こちらがフロント側です。
液晶はもちろん、制御回路(CPU基板)は、すべてフロント側に実装されているようです。
こちらの基板は、ごくありふれた回路でしょうから、今回は無視しますね。
こちらがリア側です。
アンテナやDSP、高周波&低周波回路(メイン基板)がリア側に実装されているようです。
ラジオとしての心臓部になる回路です。
★メイン基板
ではじっくり眺めてみましょう、まずはメイン基板表面
↑クリックすると大きくなるサービス中です
真ん中右寄りあたり(バーアンテナ固定部品の下)にシングルラインのICが見えます、CD7358GSとあります、東芝TA7358Pのセカンドソースで、FMフロントエンド用のICです。
ただし本機では、エアバンドのフロントエンドとして動作しているようです。
こちらはメイン基板裏面です
↑クリックすると大きくなるサービス中です
基板左下にあるのが Silicon Labs Si4734 皆さん良くご存じのDSPチップです。
そのすぐ右隣にあるIC6は CD9256RG0とあります、東芝TC9256APGのセカンドソースで、DTS用 PLLです。
なるほど、確かに DSP と PLL 両方入ってますね。
でもVCOはどれなんでしょうか?、VCOは普通シールドで覆われてますけど、ちょっとわかりませんね。
基板右下にあるIC5は CD1622C とあります、SONY CXA1622 のセカンドソースで、オーディオアンプです。
★考察と謎解き
基板を見て、おおよその仕組みは理解できました、恐らくこういう事でしょう。
LW,MW,SW,FM → 普通のDSPラジオ
AIR → PLLでMixerを通して周波数コンバート、10.7MHzの中間周波に落としてからDSPへ注入。
まぁ10.7MHzは測定した訳ではありませんので、違うかも知れません。
★帯域幅(フィルタ)再び
Silicon Labs のアプリケーション・ノートを見ると、Si4734で設定可能な帯域フィルタは、6,4,3,2,2.5,1.8,1KHz の7通りでした。
(その3)の記事で「wideでは9KHz、narrowでは6KHzになっているようです」と申し上げましたが、どうやら、ボクの耳はあてにならなかったようです。m(_ _)m
いったい何KHz設定なんでしょうか?
操作説明書に明記して欲しかったですね、朝日電器さん(笑)
元通りに組み上げました、お疲れ様。
さて、5回にわたり ELPA ER-C57WR のレポを書きました。
この辺で、そろそろお開きという事で宜しいでしょうか?
ではでは。。。