Palm Pre Sprint版用パッチ(総括)

2009 年 6 月 21 日

さぁ、いよいよこのシリーズもこれで最終回です(←えっ、シリーズ物だったの?)
今回の一連の作業で、Palm Pre Sprint版を日本国内で使用する際の「アクティベーション」「Palm Profile」に関わる問題は、回避出来る事が証明されました。
今年9月ごろリリースと噂されるUMTS(Palm Pre EU版)を待ち切れず、誰よりも早くwebOSを体験したい方にも、これで道が開けた訳です。

さて、シリーズ最終回では、現状で残された研究課題や、懸念事項等を列挙してみたいと思います。

■アクティベーションの謎
そもそも「アクティベーション」って何なのでしょう?、何かの宗教儀式ですか?
ボクの知る限り「アクティベーション」という言葉が一般的になったのは、iPhoneの時からだと思っていますが。

Palm Preにおける儀式のやり方はココに詳しく書かれております。
このページを見ますとMEID(メイドじゃありませんよ)を入力して、「英語」か「スペイン語」の言語選択をすれば、儀式が無事完了となります。

MEIDというのはマシンの個体番号のようなモノで、キャリアによっては、ESNやIMEIとか呼ばれるモノと同様です。
入力されたMEIDが正しい番号か?、このチェックはおそらくSprint網側で行なっているのでしょう、
このチェックに合格すると、Preの不揮発性メモリの何処かに、アクティベーション済みフラグが立ちます。

このフラグが1度でも立つと、ファームウェアのアップディト程度では、初期化される事は有りません。
これは、関野さんの報告や、ビザビさんのblogなどから推測出来ます。

今のところ、日本国内に有る数台のPreは、すべて米国内での儀式が済んだ、つまり、フラグが立ったマシンです。
このシリーズで何度も登場したアイルランドの青年も、彼がWWDC(リンゴの集会)で渡米した時に、フラグを立てているハズです。

では仮に、儀式の済んでいない未開封新品を、つまり、フラグが立っていないマシンを、そのまま日本へ持ち込んだらどうなるでしょう?
もちろん、このようなマシンでも、本パッチは有効のハズです。
でも、今回のパッチは、あくまでもアクティベーション画面をバイパスさせるだけの機能です、無理矢理フラグを立てる事は出来ません。
フラグが立っているマシンと比較して、将来的に挙動が変わってくることも予想されます。

■バージョンアップの問題
今回のパッチは、作業手順を見れば、複雑怪奇に見えるかも知れません。しかしながら、やっている事はJavaScriptを書き換えただけの事なのです。

このパッチを当てますと、つまり、ROM焼きしますと、Preのファームウェアは初期バージョン(v1.01?)に戻ります。

現在、Preの最新ファームウェアはv1.0.3です、アップディトしたらどうなるのでしょう?また「Palm Profile」の画面で止まるかも知れませんね。

これはやってみないと、ボクにも結果が読めません。
「バージョンごとのパッチ対応が必要」というような事態は避けたいものです。

■マシン入手性の問題
「Sprint版でも構わないので、Preを入手したい」と思ってらっしゃる方、結構おられるのではないでしょうか?(ボクもその一人)
現在のところ、確実に入手できる購入先が無いんですよね~(ebayや、国内の高いトコ、怪しいトコは除く)
京都の某ショップの方にも聞いてみましたが、今のところ仕入れ困難みたいです。
おそらく大阪の某ショップも、東京の某ショップも、事情は同じでしょうね。
さぁさぁ困りましたよね・・・

■パッチ作業性の問題
昨日、関野さんにお願いした件ですが(差分ツールの件)
「もうちょっと国内ユーザーが増えて来たら考えます」との事でした。
そのような訳で、暫くはBBS通りの手順で、さぁさぁ、ショップの威信をかけて、店長さんガンバッテくださいね~。

以上で「Palm Pre Sprint版用パッチ」シリーズの記事を終了します。
皆様、数日間に渡るご清聴、誠にありがとうございました m(_ _)m

Palm Pre Sprint版用パッチ(経過まとめ)

2009 年 6 月 20 日

今回の一連の作業内容について、一部誤解・誤報が有るようですので、補足説明いたします。

・まず、ボクの都合で作業を関野さんにお願いしたのは、前出の通りです。

・6/16(火曜日)に関野さん宅へ実機到着、作業着手。

・この時点で、作業はJavaScriptを書き換えるだけの単純作業では済まず、ROM焼きする為のjarの再構築作業の方が難題、という事が判明しました。

・jarの再構築作業には、以下2点の困難な問題が有りました。

(1)md5を修正しTARアーカイブに戻す
(2)jarにまとめる際のマニュフェストをどうするか

・6/17(水曜日)の夜の時点で上記(1)の問題は解決し、ROM焼きトライしましたが、エラーで全く焼けず。

・6/18(木曜日)のお昼に、そのものズバリの情報がpre dev wikiに掲載されたのを発見、関野さんに即連絡。
http://predev.wikidot.com/bypassing-activation

・6/18(木曜日)の夜に、上記wikiの情報を参考にROM焼きトライし、成功したように見えたが、リセットしてもpalmロゴのまま進まなくなった。(→ひょっとしてPre死んだの?事件発生)

・瀕死の状態でも、オリジナルのwebOS Reset Doctorで元に戻せる事がわかり一安心。

・そして、6/19(金曜日)の夜、正確には本日の夜中、見事パッチ当て成功となる。

以上のような経過でした。

従いまして「ボクが考えたパッチを→関野さんが作業した」という図式では有りません。

JavaScriptをひねる件についても、ボクが示した setUpFirstUse() 関数だけでは足らず、これ以外にaccount-service.jsとfirstuse-util.jsの修正も必要だった事が、pre dev wikiの情報で明らかになっております。

関野さんがご自身のBBSで「僕が探し出した方法ではなく、ただ実践しただけの記録です」と仰っておられるのは、このような経過が有ったからです。

あくまでも、このパッチを考案したのはアイルランドの青年であり、pre dev wikiに詳細が掲載されるまで、日本のマニアなおじさん2人が振り回されただけの事だったのです。

Palm Pre Sprint版用パッチ(続報)

2009 年 6 月 20 日

早速、パッチ当ての手順が関野さんのBBSに掲載されています。
ただ、かなりのスキルをお持ちで無いと、この手順を見ただけで作業出来る方は少ないと思います。

誰でもパッチ当てが出来るように、例えば以下に有るようなツールで、差分ファイルだけを公開するという案を考えてみました。
WDiff
http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se057654.html
この案ですと

(1)Palm本家からwebOS Reset Doctorをダウンロード

(2)ダウンロードしたwebosdoctorp100ewwsprint.jarを差分ツールでパッチ当て

(3)それをROM焼き

(4) (゜Д゜)ウマー

という事になり、手順がかなり簡略化出来ると思います。
ただ今、関野さんに交渉中です、しばらくお待ちを。

Palm Pre Sprint版用パッチ(結果報告)

2009 年 6 月 20 日

実はボクの本業の都合で、今週は週末まで作業をする時間が取れそうも無かったので、パッチ当て作業の実施を(T-Pilot)関野さんにお願いしておりました。
そして、たった今です『無事成功した』と関野さんから第一報を頂きました。
いやぁ~、ホントにお疲れ様でした、感謝感激です m(_ _)m

それでは皆様、どうぞご覧ください。
webOSという新しいトレンドが、たった今、日本の地に上陸いたしました。

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