‘PL-680’ カテゴリーのアーカイブ

TECSUN PL-680(その6)

2015 年 3 月 18 日 水曜日

The SWLing Postのレポートには、以下の記述があります

Obviously, the engineers at Tecsun addressed the soft muting/AGC problem of the PL-660.
In all of my time with the PL-680 on the air, I haven’t noticed any soft muting; the audio has been smooth and the AGC copes with fading much better than the PL-660.
No doubt, these two improvements alone make the PL-680 a worthy portable for shortwave radio listening.

明らかにTecsunのエンジニアはPL-660のソフトミュート/AGCの問題を取り上げた。
私がPL-680で試聴した全ての時間において、私はソフトミュートを気付いていない。
オーディオはスムーズであり、AGCはフェージングに対しPL-660よりもはるかに優れていた。
間違い無く、これら2つの改良点は、PL-680が短波聴取に値するポータブルラジオと言える。

本当にそうなんでしょうか…
AGCの件はその通りだと思いますが、ソフトミュートは有ると思います。

誠に僭越ながら、日本のオッサンより異論を申し上げます。

確かにPL-660で有った不自然なソフトミュートは無くなりましたが、PL-680では更に巧妙なミュートの仕掛けが有ります。
ボクはこれを「ナチュラルミュート」(英語名:natural mute)と勝手に命名したいと思います。

以下の動画は、ナチュラルミュートの存在を証明するものです。
Sメータで2付近を閾値として、明らかに音質変化(バックノイズ変化)する様子が、ご確認頂けると思います。

先の記事で「フェージングの谷間での音が特徴的」と書きましたが、原因はこのナチュラルミュートによるものだったようです。
PL-680は、誰も気付かないような巧妙なミュートにより、受信性能が向上しているんですね。

つづく

TECSUN PL-680(その5)

2015 年 3 月 16 日 月曜日

ラジオで遊ぶってどういう事?
若い方には理解出来ないかも知れません。

今夜は本機の混信除去機能のレポと、受信テクニックについて書いてみます。
夜20時頃、9735KHzのRTI(台湾国際放送)と9740KHzのBBCを例にしてみます。

結構強力なRTIのすぐ5KHz上、混信を受けるBBCをキレイに受信するには、どうすれば良いでしょうか?

■基本テクニック

周波数シフト…基本中の基本技です、9740KHzより少し上にダイヤルをずらして混信から逃げます。

同期検波…同期検波を上側波(USB側)にして混信から逃げます。

ゼロビート法…SSBモードでUSBにし、BFOツマミでゼロビートに合わせて混信から逃げます。

■応用テクニック

同期検波+周波数シフト…こんな技が使えるとは思いませんでした。前の記事で「PL-680の同期検波は合格」と書きましたが、周波数を1KHzずらしても同期外れません、これは素晴らしいですね。

PL-680なかなか良いラジオに思えて来ました、テクニック次第で色々な運用が可能ですね、面白い(^^)

それから、今夜書きました受信テクニックの数々は、技をマスターされても実社会では何も役に立ちません、くれぐれもお間違い無きように。。。

つづく

TECSUN PL-680(その4)

2015 年 3 月 15 日 日曜日

少しでもこのラジオの尖ったところを見付けようと、日夜弄っております。
今夜も前回の受信性能に関する続きを書きます。
まずは、The SWLing Postでほとんど触れられなかった、FMバンドのレポからです。

■FMバンドの受信性能
ボクの家で、本機で受信出来たFM局は、メジャー局とミニFM局を含めて以下11局でした。
FM放送ですからステレオ復調出来ないような微弱局は除外してます、多少ノイズが噛んでもステレオで聞けた局の一覧です。
比較データとしてPL-660とPL-880の受信データも併記します。

ラジオ局 周波数 PL-680 PL-660 PL-880
FM COCOLO 76.5MHz 5+ 5+ 65dbμ
YES-fm 78.1MHz 5 4 09dbμ
Be Happy!789 78.9MHz 5 3 07dbμ
FMちゃお 79.2MHz 5 4 07dbμ
FM802 80.2MHz 5 5 42dbμ
FM HANAKO 82.4MHz 5 5 13dbμ
FM OSAKA 85.1MHz 5 5 50dbμ
NHK FM KOBE 86.5MHz 5 5 19dbμ
NHK FM OSAKA 88.1MHz 5 5 45dbμ
FM KYOTO 89.4MHz 5 4 06dbμ
KISS FM 89.9MHz 5 5 24dbμ

※数字はSメータの目盛、PL-880だけdbμ値
※黒文字はステレオで聞けた、赤文字はモノラルでしか聞けなかった
※使用アンテナは自作室内ヘンテナフォークです

以上の実験から、PL-680のFM受信性能は結構良いのではと思います。

■AGCダイナミックレンジ
どれだけ強い電波を受信しても、音を飽和させずに鳴らせるかといった話です。
ラジオ送信所の近所にお住いの方は切実な問題だと思います。
ボクの場合は、約12Km離れたところにNHK大阪送信所が有ります、決して近所ではありませんが、ここの電波が結構強力なんです。

所持している大半のラジオは、このNHKを受信しても全く問題ありません、しかし残念ながらPL-680では、アッテネータスイッチをLOCALにしないと飽和してしまい、まともに聞く事が出来ません、同じような症状はPL-660にも有りました。

以下はその様子を動画にしたものです。

この事から、PL-680のAGCダイナミックレンジは少々狭く、これはPL-660の血統をそのまま受け継いでいると考えます。
更に注意すべきことは、この問題は短波でも存在するという事、
中波程には顕著に現れませんが、短波でも強力な信号を受信した時に、音が若干飽和気味になります。

つづく

TECSUN PL-680(その3)

2015 年 3 月 13 日 金曜日

本業がめっちゃ忙しくて、暫くのご無沙汰でした(^^)
忙しいとは言ってもここ数日、ほぼ毎晩この本機で遊んでおりました。

購入前に「このスペックだと、あまり面白味が無いですね。」と書きましたが、本機の印象は、やっぱりそんな感じですね。

決して悪いマシンじゃありません、どちらかと言えば良いマシンです、尖がったところが無いだけ、くれぐれも誤解無きよう申し上げます。

今夜はラジオで一番大切な受信性能について書きます。

■同期検波
本機の同期検波は良いと思います、様々な状況で試してみました、同期が外れてピーっと鳴るような場面は極めて少ないです。
フェージングの谷間や混信が醜い状況であっても、しっかりと同期しています、これは合格です!

■帯域フィルタ
WIDE/NARROWで、旧来のセラミックフィルタをの2段階で切り替えています。
WIDEが6KHzぐらい、NARROWが3KHzぐらいでしょうか、もう1段階狭いのが欲しいところですがこれは贅沢ですね。。。

■アッテネータスイッチ
DX/NORMAL/LOCALの3段階切り替え、減衰量はどれ位なのか解りませんが、LOCALではかなりガクンと減衰しますね。
このアッテネータは短波/FMだけでは無く、中波でも有効です。

■音質スイッチ
TREBLE/BASSの2段切り替え、音質はそれなりに変化します。

以上述べた機能とスイッチを組み合わせて、放送が一番聞きやすい状態に設定出来るラジオです、熱いマニアの要望に一通り応えています。

さて以下の受信動画は、本日のRTIです(台湾国際放送)

ちょっと録音レベル低かったですね(汗)、このラジオはフェージング谷間での音が特徴的でしょう、わかります?
悪評だったソフトミュートの代わりに、何か別の処理が入ってるのかなぁ(謎)

つづく